ジュピター/トイレ掃除にはじまり、トイレ掃除におわる



じつはじぶんが世界の命運を握る特別な存在だと、ある日知ってしまう私。
『マトリックス』と相似の物語を、同じ作家が語り直す。こんどはスペースオペラの体裁で。

自宅にプロジェクター用のスクリーンを購入して、
最初に観たのがこの『ジュピター』。
大画面に向いている、見た目の楽しい作品。
なんの不満もないです。特別な満足もないけど。


この映画は家政婦の仕事をするジュピターのトイレ掃除にはじまり、トイレ掃除の場面におわる。

映画の冒頭では、無気力で生活に倦んでいた彼女が
宇宙でいろいろあったあげく「地球の所有者」になった最後で
あいかわらずトイレ掃除をしているけど、いまは気力に溢れていて
充実した日々を過ごしている。
同じ状況に置くことで、主人公の精神的成長をわかりやすく描きたい、のはわかる。

でも気になるのは、
最後の方のトイレが、黒い大理石の敷き詰められた、超リッチなトイレであること。
主人公の成長をこんなふうに描写するのがすごく意外だった。
プロダクションデザイナーはきっと、地球の支配者が掃除するにふさわしいトイレを考えたんだろうな。



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